最新号2017年3月号 2/10配信

藤井太洋のポスト・オリンピック小説「東京の子」スタート!

今月の執筆陣:赤川次郎/浅生鴨/新井素子/岩城けい/川瀬七緒/今野敏/下村敦史/鈴木光司/でんすけのかいぬし/中山七里/はらだみずき/藤井太洋/堀埜浩二/夢枕獏

2023年、オリンピック後の変貌した東京で、逃亡者たちを追うひとりのランナーがいた――『オービタル・クラウド』の著者がおくる近未来ミステリ新連載。藤井太洋「東京の子」。
念願のエジプト調査で発掘されたミイラはなんと新しい死体、そのうえ命を狙われた考古学者・峰は災厄から逃れるようにフランスへと旅立つが、なんと飛行機が墜落してしまう。生き延びるため苛烈な選択の日々が始まった。下村敦史「サハラの薔薇」。
世にも美しい女性用特殊下着を作る老テーラー、伊三郎に心酔し始めた少年・アクア。そこへ謎のパンク少女が加わり、退屈な田舎町で何かが確実に動き出した――。川瀬七緒「テーラー伊三郎」。
ストリートの大先輩にして気鋭の評論家が案内する新しい音楽の世界。今回は癒やし系グルメアニメからはるか北欧へ繋がる音楽の道をご案内!堀埜浩二「このアニソンを聴け!」。
ひとあし早く春を伝えるあの世界を、眼と舌で味わう一冊を紹介。「本屋でんすけにゃわら版」。

文芸カドカワとは?

かっこいい嘘(フィクション)
胸おどる真実(リアル)を読もう――
大人のエンタテインメント小説誌!

ミステリ、サスペンス、SF、ホラーetc.
――日常を離れ、物語の世界へ羽ばたく極上の小説連載、
今、いちばんイキのいい才能が続々登場する読み切り小説、
話題の映像作品コミカライズや気になる話題満載のエッセイなど、
ここでしか読めない作品が満載です。

今月のおすすめ

  • 連載

    「東京の子」

    藤井太洋

    著者より

    私は18歳で東京にやってきました。
    浪人しているとバブルが弾けて夜の街は暗くなりました。友人たちは就職氷河期の第1世代になり、企業の欠員は派遣社員で埋められるようになっていきました。終身雇用と年功序列はもはや歴史上の出来事です。
    次はなにがくるだろう、そう考えたことが『東京の子』のきっかけになりました。
    舞台はオリンピックを終えた2023年の東京。近未来の「異国情緒」と、失踪した外国人労働者を追う主人公の、ちょっと変わったアクションを存分にお楽しみください。

    文カド編集部より

    いま世の関心はひたすら2020年に向かっていますが、当然のことながらオリンピックが終わっても日本や東京は存続する(するよね?)わけで――アフターオリンピックの日々、我々はどんなふうに生き、食べ、繋がりまたは孤立するのか。そしてそのとき、希望はどのようなかたちをしているのか――藤井さんの見せる鮮やかな「明日」の世界に――興奮せずにはいられません!

  • 連載

    「サハラの薔薇」

    下村敦史

    著者より

    飛行機事故から生存した訳ありの登場人物たちは、対立しながらも、生き延びるわずかな可能性に賭けてついに灼熱地獄のサハラへと踏み出します。一話から危機に次ぐ危機ですが、二話以降は大自然の過酷さも相まって、太陽が登り詰めていく砂漠に合わせてますますヒートアップ。サスペンス度は僕の作品の中で一番です!
    まだまだ寒い季節だからこそ、ぜひ主人公たちと一緒に異国情緒あふれる酷暑の砂漠を体験してください!

    文カド編集部より

    冬のいちばん寒い今頃になると、アクション映画を見たくなりませんか。単に活劇じゃなく、次から次へと危機がやってくる、王道のサスペンスアクション。爆風に転がったりトラップに引っかかったりしながら、生き延びるぜ、生き抜くぞ、ここをしのげばきっと――といつの間にか登場人物になっている。今回の「サハラの薔薇」はがっつりとそんな展開です。小説ならではの「心理のアクション」も満載! 読み終わったら、きっと春です。

  • 連載 最終回

    「テーラー伊三郎」

    川瀬七緒

    著者より

     突拍子もなく始まったテーラー伊三郎ですが、ひとまずここが連載の区切りです。執筆中はとにかく登場人物たちが忙しなく動きまわり、著者のコントロール下から抜け出しそうな勢いがありました。この物語はまだまだ続くわけですが、ネガティブを極めていた高校生のアクアと、頑に見えて実は柔軟な老人伊三郎、そして夢の中で生きる女子高生の明日香はすでにずっと先へ突っ走っています。彼らの行く末に、ぜひご期待ください!

    文カド編集部より

    「自分の人生は、自分以外のだれにもゆだねるな」――あまりにもかっこいい名言を吐いた老テーラー・伊三郎とアクア、そして明日香の革命はこれからが正念場です。女性用特殊下着(コール・バレーネ)を旗印に、3人が膠着した日常をいかにぶっ壊していくか、ますます目が離せません! そして、あの我が道行きまくる官能漫画家のお母さんや、手強そうな商工会議所の面々もどうなっていくのだろう? 単行本をどうぞお楽しみに!

  • 連載

    「このアニソンを聴け!」

    堀埜浩二

    著者より

    アニソンは何故にアニソンなのかを考える場合、「当該アニメの世界観をいかに楽曲に落としこむか」という視点は重要です。アニソンのプロデューサーや作家たちは、そのためにあらゆる手を尽くすがため、音楽的なチャレンジに満ちているのがアニソンの大きな魅力でもあります。今回はその好個の例として、アニメ『幸腹グラフィティ』のOPテーマを採り上げました。日本のトップ作詞家とスウェーデンのトラックメイカーのコラボによる最先端の音世界、その秘密を探っていきましょう。

    文カド編集部より

    クールジャパンのかけ声をよそに、作品を愛する者同士はとっくに地球のあっちとこっちで繋がっているのだ。さらにそこから生まれる新しい音楽が、世界の色合いを少しずつ変え始めているのだ、そんな「いま」をリアルタイムでお届けする極熱(ゴクアツ)のレポートは、「文芸カドカワ」でしか読めません!

  • 連載

    「猫たちの色メガネ」

    浅生鴨

    文カド編集部より

    この連載、主人公は本来猫ではないのです。でも、猫は常に視界のどこかを横切るのです。しかも、いると邪魔なときに限って何度もうろうろして、何やらにゃーにゃーと主張して、気がついたらへそ天で寝てたりするのです。おろしたてのコートにべっとりくっついた毛束と、猫に気を取られているうちに過ぎ去った数時間……そして原稿はまだ、書けていない。以上、現場からお送りしました。今回はいつもより猫成分多めです。

  • 連載

    「三世代探偵団」

    赤川次郎

    文カド編集部より

    日本を代表する画家の祖母・幸代、頭脳明晰で行動的な孫の有里、その間でのんびり、娘&母親業をやっている文乃……孫がワトソンで祖母がシャーロック? いやいやそんなテンプレの図式(ドイル先生ごめんなさい)に嵌まらない自由さこそが、赤川世界の女子たちの勲章。そして、秘めたポテンシャルは文乃さんが一番、なのかもしれません。しかしまたもや起こった殺人事件、そろそろ三世代、エンジン全開で行きますよ!

  • 連載

    「絶対猫から動かない」

    新井素子

    文カド編集部より

     いまも、世界の、いや、近くのどこかで発生している「死」。それが自分に起こりうることだと認めたくないから我々は、ちょっと刺激的なニュースにしてやりすごしちゃうのかもしれません。だって、それより今考えなきゃいけないことがたくさんあるんだもの。仕事とか、お金とか、家庭とか、親とか、子供とか、もしくは、自分の孤独さとか――しかし、背を向けていた最大の恐怖とは、今日の夢の中で出会うのかもしれない。

  • 連載

    「ユビキタス」

    鈴木光司

    文カド編集部より

    かの「ノストラダムスの大予言」以降、人類滅亡からロマンは失われたのかもしれません。地球温暖化にしても食糧不足にしても天変地異にしても、すべては数値化され、予測され、かといって逃れようはない、という無感動な絶望。そんな我々に、いまいちど極上の恐怖を、滅びゆく陶酔を与えてくれるのが鈴木光司さんの小説です。今回はついに「滅び」の正体が明かされ、リュウジはある決断をします。

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